熊野本宮の巫女が主役の能「巻絹」

観世九皐会12月定例会チラシ
観世九皐会12月定例会チラシ

2019年12月8日(日)、東京新宿、矢来能楽堂にて、熊野本宮を舞台とした能「巻絹」が演じられます。

千疋の反物を三熊野へ届けなければ
ならない帝の臣下。
途中の見事な梅に足を止めて
刻限に遅れてしまいます。
顛末やいかに?『巻絹』。

観世九皐会12月定例会 – 矢来能楽堂
謡曲「巻絹」と音無の梅の歌
謡曲「巻絹」と音無の梅の歌 熊野本宮大社旧社地大斎原の西の鳥居の傍らにある案内板

主役は熊野本宮の巫女。熊野本宮において巫女の役割が重要であったことが伺える能です。

また梅の花の歌にまつわるお話なので、『万葉集』第五巻の「梅花の歌」の序文を出典とする「令和」の時代に演じられるのにふさわしい演目です。

音無にかつ咲きそむる梅乃花 匂はざりせば誰か知るべき

(音無の里で音もなくこのように咲き始めた梅の花、匂わなかったならば誰が知ることができようか)

※音無の里は現・和歌山県田辺市本宮町本宮の辺りだと思われます。

謡曲「巻絹」現代語訳