鈴木せんべい、いただきました!

鈴木せんべい
 鈴木せんべい

観世流シテ方能楽師・鈴木啓吾さんから「鈴木せんべい」をいただきました!
「紀州藤白 鈴木屋敷」と文字の入った特製せんべい! ありがとうございます!

和歌山県海南市藤白には鈴木姓のルーツ・藤白鈴木家の「鈴木屋敷」がありますが、老朽化して倒壊寸前。

鈴木啓吾さんは鈴木屋敷を知ってもらい、寄付を呼び掛けるために、藤白鈴木家の人物が主役の能で、長らく廃曲となっていた「語鈴木(かたりすずき)」を昨年3月約300年ぶりに「鈴木三郎重家」として復曲上演しました。

復曲能の主役・鈴木三郎重家は平安末期の藤白鈴木家の当主。源義経に従い、奥州平泉で義経と最期を共にしました。

鈴木は現在日本で2番目に多い名字ですが、その始まりは熊野にあります。熊野本宮または新宮の神職に関わる家柄にあった人物が鈴木を名乗ってから始まった名字です。

スズキは熊野地方の方言で、刈取った稲束を積み上げたものを指します。または積み上げた稲束の中央に立てられる1本の木の棒を「聖なる木」という意味でスズキ(ススキ)と言ったともされます。鈴木の漢字はその当て字です。

鈴木氏は12世紀頃に熊野から紀州藤白に移り住み、熊野詣の道中における要所・藤白王子(現・藤白神社、和歌山県海南市)の神職を代々世襲しました。藤白の鈴木氏は全国に散らばる鈴木氏の本家筋とみなされました。

鈴木屋敷について
鈴木屋敷は、平安末期ごろに熊野から藤白の移り住んできた熊野旧三家の一つ鈴木氏が、熊野信仰を広める拠点としていた場所です。
“牛若丸”こと源義経も熊野詣の際には滞在し、敷地内には義経弓立の松の古木が残されていたり、平安時代の「曲水泉」といわれる貴重な庭園などの歴史的に貴重なものが残されていたりします。
建物は老朽化していますが、2021年度の完成に向けて復元工事を行っています。

鈴木屋敷復元の会|鈴木姓発祥の地、和歌山県海南市にある「鈴木屋敷」の2021年度復元完成に向けて活動しています。

【戦国魂 鈴木さんとタッグで再チャレンジ】「鈴木」姓のルーツとされる『鈴木屋敷』を再生・復元し、「鈴木」さんのふるさとを復活させたい!

石見神楽・夢の共演会、観に行きました!

2019年12月22日 石見神楽・夢の豪華共演会
2019年12月22日 石見神楽・夢の豪華共演会

昨日12月22日(日)に熊野九十九王子のひとつ・切目王子跡(現・切目神社)のある和歌山県印南町で開催された「石見神楽・夢の豪華共演会」を観に行きました!

6年ぶり4回目の印南町での石見神楽公演で、島根県益田市の高津神楽社中と、島根県浜田市の西村神楽社中の共演です。

石見神楽

今回の演目は「羯鼓(かっこ)」「切目(きりめ)」「恵比須」「頼政」「石見野(いわみの)」「大蛇(おろち)」の6つ。

お目当てはもちろん切目王子が舞台の「羯鼓」と「切目」

切目王子は熊野九十九王子のうちで別格的な最も重要視されたであろう神様です。石見に残された切目王子ゆかりの神楽は、熊野山伏かあるいは熊野比丘尼が石見地方に伝えたものなのでしょう。

切目神社(切目王子跡)
切目神社(切目王子跡)

石見神楽は以前別の場所で観たことがありますが、そのときの公演では切目王子ゆかりの演目は演じられず、今回初めて観ることができました。

「羯鼓」と「切目」はひとつながりの演目ですが、今回は「羯鼓」を高津神楽社中が、「切目」を西村神楽社中が演じるという特別バージョン。

大衆演劇的なエンターテイメント色が強い石見神楽ですが、「羯鼓」と「切目」に関しては神事性が強く残っているように感じられました。

石見神楽(浜田市)の「羯鼓」は一人舞で、切目王子に仕え祀る神禰宜(かんなぎ:巫女)が羯鼓の由来を語る。羯鼓は高天原から天下ったもので、片方を打つ時は、天下泰平、国土安穏と鳴り、他の片方を打てば、五穀豊穣、商売繁盛と鳴る。その後、熊野の宮に納まって宝物の太鼓となった。祭礼の神楽なので、最もよく鳴る場所に据えよとの詔があり、散々苦心してようやく据える。切目王子が出現された際にはよく拝まれよと述べる。「切目」では介添が出て「熊野なる切目の王子の竹柏(なぎ)の葉は髪挿(かざし)に挿して御座へ参ろや」「熊野路はものうき旅と思ふらん ちとせの川で思ひ知らせん」と歌う。…

鈴木正崇『熊野と神楽: 聖地の根源的力を求めて 』平凡社(ブックレット“書物をひらく”)、80-81頁

切目王子、興味深い神様です。

「羯鼓」「切目」台本現代語訳

明日12月22日、和歌山県印南町にて「令和を祝う『石見神楽』共演会」開催

明日12月22日、和歌山県印南町にて「令和を祝う『石見神楽』共演会」が開催されます! 印南町で石見神楽の公演が行われるのは6年ぶり4回目!

演目は「羯鼓」「切目」「恵比須」「頼政」「石見野」「大蛇」の6つ。
このうちの「羯鼓」と「切目」は熊野九十九王子のひとつ・切目王子(現・切目神社)が舞台の演目です。

切目王子は熊野九十九王子のうちで最も重要視された神様であったろうと思われます。切目王子は奥三河の花祭でも最も重要な神様とされました。

石見神楽「かっ鼓、切目」現代語訳