熊野とケルト

本日10月31日はハロウィン。
ハロウィンは古代ケルト人の収穫祭がその起源だとされます。

こちらは熊野とケルトについての本。‬

本日10月30日は初恋の日

本日10月30日は初恋の日。
島崎藤村の「初恋」という詩が明治29年(1896年)の10月30日に発表されたことに因んで、長野県小諸市の温泉旅館・中棚荘(なかだなそう)が記念日登録しました。島崎藤村は英語教師として小諸で過ごしたときに中棚荘に足繁く通ったそうです。

まだあげ初めし前髪の
林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の
花ある君と思ひけり

やさしく白き手をのべて
林檎をわれにあたへしは
薄紅の秋の実に
人こひ初めしはじめなり

わがこゝろなきためいきの
その髪の毛にかゝるとき
たのしき恋の盃を
君が情に酌みしかな

林檎畑の樹の下に
おのづからなる細道は
誰が踏みそめしかたみぞと
問ひたまふこそこひしけれ

島崎藤村「初恋」

初恋の詩というとこの島崎藤村の「初恋」が最も有名だと思いますが、私は熊野出身の文豪・佐藤春夫の「少年の日」も思い浮かびます。

   1

野ゆき山ゆき海辺ゆき
真ひるの丘べ花を敷き
つぶら瞳の君ゆゑに
うれひは青し空よりも。

   2
影おほき林をたどり
夢ふかきみ瞳を恋ひ
あたたかき真昼の丘べ
花を敷き、あはれ若き日。

   3
君が瞳はつぶらにて
君が心は知りがたし。
君をはなれて唯ひとり
月夜の海に石を投ぐ。

   4
君は夜な夜な毛糸編む
銀の編み棒に編む糸は
かぐろなる糸あかき糸
そのラムプ敷き誰(た)がものぞ。

佐藤春夫「少年の日」

読書週間、いま読んでいる本

根井浄・山本殖生編著『熊野比丘尼を絵解く』法藏館

一昨日から読書週間が始まりました。
いま読んでいる本は、根井浄・山本殖生編著『熊野比丘尼を絵解く』。‬

熊野比丘尼とは、熊野三山に属した僧形の女性宗教者です。

熊野比丘尼が活動したのは戦国時代の頃から江戸時代にかけて。荘園を失い、参詣者も減り、経済基盤が揺るぎだした熊野三山の運営資金を集めるために熊野比丘尼は諸国を巡り歩きました。

熊野比丘尼は、毎年年末から正月にかけて熊野に年籠りし、伊勢に詣でたあと、諸国を巡り、熊野信仰を布教し、熊野牛玉宝印や梛の葉を配って、熊野三山への喜捨を集めました。

熊野は女性の力によって支えられてきた聖地なのです。
熊野比丘尼について詳しくはこちら。