那智の滝の保全

那智勝浦町では今年1月に町長の諮問機関で「那智の滝保全委員会」が設置されました。今月5日に第1回の会議があって、町長が「那智の滝が流れる姿を未来永劫守っていかねばならない」というような挨拶をされたようです。
http://www.agara.co.jp/sp/news/?i=365470

今から100年ほど前に南方熊楠は、那智の滝の背後の山林を伐採したら那智の滝の水源は涸れ尽くすだろうと伐採に反対しました。

さて霊山の滝水を蓄うるための山林は、永く伐り尽され、滝は涸れ、山は崩れ、ついに禿山となり、地のものが地に住めぬこととなるに候。
松村任三宛書簡、明治四十四年(1911年)八月二十九日付『全集』七巻)

そう熊楠は警告し、那智の滝の水源林の保全を訴えました。

熊楠が100年前に行ったことをいま私たちは追いかけています。私たちはまだまだ全然熊楠に追いつけていません。

神仏習合をモチーフにした熊野グッズ

那智の御正体

『那智経塚—その発掘と出土品—』(熊野那智大社発行)の表紙。

那智経塚から出土した、熊野那智大社の主神・熊野夫須美大神の御正体(みしょうたい)。円形の板に本地仏の千手観音の像が貼りつけられています。

円形の板(神体)に仏像(仏体)を貼りつけて、神仏一体として礼拝できるようにしたものです。

熊野の神仏習合をモチーフにした商品があったらいいなあ、と思います。

熊野の神様の本地仏のカッコいいグッズ。熊野が神仏習合で栄えた霊場であったことを伝えられる商品があったら、熊野好きな人には喜んでいただけるんじゃないかなあ。

私が作っている梛の葉グッズは、じつは神仏習合を伝えられる商品でもあるのですが、「1枚の梛の木の葉っぱに熊野の神様は宿るとされたのだ」ということをいちばんに伝えたいので、神仏習合の部分については今はあえて触れずに販売しています。

熊野十二所権現のうちの「一万十万」には一万の眷属・十万の金剛童子が祀られます。

梛の葉は、そのうちの金剛童子の変化した姿だとされます。金剛童子は仏法の守護神。仏教や仏教徒を守護する神様です。

那智の扇祭り、主役は火ではなく扇神輿です

那智の扇祭り

7月14日に執り行なわれる熊野那智大社例大祭「那智の扇祭り」本祭。

このお祭りは、12柱の熊野の神々が1年に1度、現在鎮座する場所からもともと鎮座していた那智の滝へ里帰りしてリフレッシュし、また現在の鎮座地に戻る神事です。

熊野十二所の神々の神霊は、那智の滝の姿を模したとされる高さ6mの12体の扇神輿(おうぎみこし)に移されて滝前へと運ばれ、 大松明が浄めながら迎えます。

一時期「那智の火祭り」と呼ばれていた時期がありましたが、お祭りの主役は火ではなく扇神輿です。

写真は平成25年に妻が撮影したもの。

那智の扇祭り
http://www.mikumano.net/meguri/natinohima.html