ただ今オウチの花盛り

昨日の熊野本宮大社旧社地のセンダン。

只今楝(おうち、俗にいうセンダン)の花盛りだ。本邦で古く、この木に罪人を梟首した。『平治物語』に、源義朝、鎌田政家の首を左の獄門の楝の木に掛けた、とあり。
(「紀州田辺湾の生物」『南方熊楠全集6巻』平凡社、291頁)

オウチはセンダンの古名。
処刑された罪人の霊を鎮めるだけの特別な霊力を持つと信じられたためか、古く日本では罪人の首を吊るして晒すのにセンダンは使われました。

最近の研究でセンダンにはインフルエンザウィルスを死滅させることのできる成分が含まれていることがわかり、科学的にセンダンに特別な力があることが実証されましたが、そのようなセンダンの力を古代中世の人たちは感じていたのかもしれません。

有難き御世にあふちの花盛り

昭和天皇へのご進講に先立って南方熊楠が詠んだ句。

ただ今、東京都千代田区の日比谷図書文化館では「ジャパニーズ・エコロジー 南方熊楠ゆかりの地を歩く」(6月14日開催の日比谷カレッジ)の関連展示をしています。

国際生物多様性の日である昨日5月22日から始まりました。

【関連展示のご案内】2018年5月22日(火)~6月17日(日)図書フロア3階
■『南方二書』関連資料(南方熊楠顕彰館所蔵)
■ 写真展「南方熊楠を歩く」・ポスター展「南方熊楠からのメッセージ」
https://www.library.chiyoda.tokyo.jp/information/20180614-post_54/

6月14日(木)の日比谷カレッジでは私も登壇いたしますので、よろしくお願いいたします!