南方熊楠が英訳した『方丈記』のCHAPTER 3をDeepL翻訳で日本語に

南方熊楠が英訳した『方丈記』、”A Japanese Thoreau of the Twelfth Century”の CHAPTER 3 をDeepL翻訳で日本語に。

また、4条(1180年5月25日)のうさぎ月29日には、ハリケーンが中御門京極から六条までの街を荒廃させました。幾つかの区の中では、一軒の家も残っていなかった。あるものは地面を平らにし、あるものは梁と梁だけが立ったままになり、あるものは門扉の十字の部分が吹き飛ばされて3~4帖も運ばれ、塀が吹き飛ばされ、隣の建物が一つになってしまったのである。

言うまでもなく、家々の中身は四方八方に散らばり、冬の葉っぱのように屋根瓦が空気中に充満し、煙のような塵が空を覆い、目が見えなくなった。風の唸り声は恐ろしく、言葉を発することもできず、嵐はまさに地獄の嵐のようであった。家々が破壊されただけでなく、自分の家を守ろうとして負傷したり、傷ついたりした人の数は計り知れません。風は最終的にヤギと猿の地区[南西]に向かって曲がり、その地域で多くの害を与えた。

それはつむじ風だったが、なんということだ!驚異的なハリケーンだ!人々は,それが何かの悪事を予兆しているのではないかと疑っていた。

Kumagusu Minakata and F. Victor Dickins ”A Japanese Thoreau of the Twelfth Century” CHAPTER 3 Translated with www.DeepL.com/Translator (free version)

『熊野の道にも百味』と言って

鎌倉時代の仏教説話集『沙石集』に「熊野の道にも百味」という言葉があります。

まことに塩は大切なものである。だから「熊野の道にも百味」といって、あらゆる食べ物の香りと味の基本は塩にこそある。

「学生ノ見ノ僻タル事」 無住道暁『沙石集』

塩の大切さを伝える文章。

熊野詣の道中では肉も魚も匂いのあるものも食べられないので食材に限りがありますが、塩の加減で様々な味にすることができるということでしょうか?

嘘を言わない神

梅原猛先生の本から。

嘘を言わない神、証誠殿の神、それが熊野本宮の神なのである。

梅原猛『日本の原郷 熊野』とんぼの本、新潮社、117頁

人類の歴史のなかで嘘は有力な武器として用いられてきましたが、熊野本宮の神は嘘を言わない神様でした。

嘘を言わないことは新型コロナウィルスの感染が世界的に拡大している今、とても重要なことです。

新型コロナウィルスの感染拡大に対して各国がそれぞれ自力だけで対処しきることはできないように思います。日本はマスクすら自力だけでは用意することができません。

終息に向けては国際的な情報の共有、対策の国際協調、国際協力が不可欠だろうと思います。

各国が互いに信頼関係を結ぶには最低限、嘘を言わないこと、情報を隠さないことが求められます。

新型コロナウィルスとは生命や健康を脅かされながらしばらく付き合っていかなければならないでしょうから、このようなときにこそ熊野の神が必要とされるのかもしれません。

 …それは名前通り真実を保証する神なのである。…嘘を言わない、すなわち誠実であるということは縄文人の持っていた最大の美徳であったに違いない。

 この信仰が後世、熊野誓紙となる。熊野の神は証誠の神なので、この熊野誓紙に誓約すれば、約束を破るとひどい刑罰を受けるというのである。

梅原猛『日本の原郷 熊野』とんぼの本、新潮社、116-117頁