復曲能「名取ノ老女 」

東北地方太平洋岸における熊野信仰布教の拠点であった宮城県名取市で先日上演された復曲能「名取ノ老女 」。

地謡で参加された鈴木啓吾さまからパンフレットや手ぬぐいをいただきました! ありがとうございます!

名取ノ老女 」は熊野の山伏が名取の老巫女に梛の葉を届けるお話。熊野の神様の霊験を伝える能の演目。復曲された「名取ノ老女」では名取の地名が読まれたり、「熊野の本地」が語られたり、変更点がいくつかあります。

名取ノ老女
名取ノ老女

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を見て

先日テレビで『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を見ました。

弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です。

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

煉獄杏寿郎の母が杏寿郎に諭して言った言葉が記憶に残っています。

この言葉を聞いて、中世の口承文芸「説経」の最大長編「小栗判官」を思い浮かべました。

常陸国(茨城県)の武士・小栗判官が毒を盛られて、目が見えない、耳も聞こえない、口もきけない、歩けもしない体になります。そのような弱き人となった小栗が熊野に来て治癒の奇跡を与えられるというのが「小栗判官」の物語です。

歩けない小栗が熊野まで来ることができたのは熊野街道沿いの人々や熊野を詣でる人々の助けがあったからです。

弱き人は助けなければならないという思いが途切れることなく常陸国から熊野まで繋がったから小栗は熊野まで来れたのです。

「小栗判官」の物語は人気を博し、熊野への街道が小栗街道と呼ばれるようになりました。

現在の日本では弱き人は助けなくてもよいと考える人々もかなりいるのかもしれませんが、弱き人は助けなければならないと考える人々が大勢いたから「小栗判官」の物語は成立したのです。

弱き人は助けなければならない。これは「小栗判官」が伝えるメッセージのひとつです。

小栗判官 現代語訳

院政時代の熊野本宮大社の領地は東京ドーム907個分!

白河法皇が院政を行なっていた1128年に書かれた記録(1535年書写「本宮文書第三号」)によると、熊野本宮大社の領地の面積は3,570町。

これは計算してみると東京ドーム907個分。

古代から中世後期にかけての1町の面積は約109メートル四方で、約11,881平方メートル。したがって3,570町は約42,415,170平方メートル。

東京ドームの面積が46,755平方メートルなので割ると907.17…。当時の熊野本宮大社の領地の面積はおよそ東京ドーム907個分に相当するのです。

しかもその領地のなかには476もの寺がありました。

今の熊野本宮大社とは全然スケールが違います。

上皇が熱心に通われた院政時代の熊野本宮は本当にすごかったのだと改めて思い知らされます。