最近歩いた昔の県道

昔の県道

和歌山県新宮市熊野川町畝畑から和歌山県田辺市本宮町請川へと続く山道。かつては県道であったこの道の一部を歩きました。

昔の県道

いつ頃まで県道だったのでしょうか。昭和の前半くらいまででしょうか。

昔の県道

谷沿いの道は歩きにくくなっていますが、それでも県道であっただけあって立派な道です。とはいえ今では歩く人もあまりいないので、山に慣れていない人が歩いたら途中で道がわからなくなる程度には荒れています。

畝畑の人たちは病気になるとこの道を何時間もかけて歩いて病院に行きました。

「それはね、昔の県道」と、かつて畝畑在住だった堀内正静さん、モトエさんご夫妻に教えていただいた。畝畑から北へ高瀬峠を越えて本宮町へ向かうルートである。「病人はみな、高瀬峠を越えて請川の医院に行った。そこしか医者がおらんかった」。

栂嶺レイ『誰も知らない熊野の遺産』ちくま新書、240頁

高瀬峠からだけでも請川まで直線の水平距離で6kmくらい。時速1kmで歩けるとして6時間。時速1.5kmだと4時間。畝畑も広いので家から高瀬峠までの距離もありますし、病人が峠を越えて何時間も歩いて病院に行っていたというのは今の感覚ではちょっと想像できません

昔の人の歩く力はすごいです。

お地蔵さん

道沿いに祀られているお地蔵さま。