今日5月3日は憲法記念日、象徴天皇制を示唆したのは

玄峰塔

今日5月3日は憲法記念日。日本国憲法の施行を記念する日。

日本国憲法の先頭に置かれたのは天皇についての規定です。

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

日本国憲法第1章第1条

天皇が象徴の地位にあることと、この地位が主権者である日本国民の総意に基づくという規定がなされた重要な条文です。

大日本帝國ハ萬世一系ノ天皇之ヲ統治ス

大日本帝国憲法第1章第1條

大日本帝国憲法では主権者は天皇でしたが、日本国憲法ではそれを主権者は国民であり、国民の総意のもと天皇を象徴の地位に置くとしました。

この象徴天皇制は新憲法の制定委員会が熊野出身の禅僧・玄峰老師の示唆を受け入れて作り出されたものだといわれます。

日本人は天皇陛下万歳と言って死んでいく。天皇を除かなければ世界から認められない。しかし天皇を除けば日本国民がアメリカに反抗する。そうなればそれを口実にソ連が進駐してくる。そうした状況の中で天皇をどうしたらよいのか。

玄峰老師が示唆したのは、天皇は一切政治に関係しない、主権は日本国民にあり、天皇を国民全体の象徴とし、政治を担当する者は国民を象徴する天皇の気持ちを受けて政治を行うという形にしてはどうかということでした。

これはその当時としては最適解であったのではないかと思います。

そして今後も天皇を象徴の地位に置き続けるかどうかは主権者である日本国民の総意に基づきます。