地域おこし協力隊について思うこと

この記事、たぶん数万人の人に読まれていますので、本宮町に暮らすIターン者として、私もちょっと一言。
私が地域おこし協力隊を辞めた理由 – 熊野暮らし / Kumano Kodo World Heritage Life

地域おこし協力隊って、田舎に縁もゆかりもない若者が田舎に移住するきっかけとしてはいい制度だとは思います。

そもそも縁もゆかりもない人には田舎では家を借りることすらできません。空き家はいっぱいありますが、家を貸したら隣近所に迷惑をかけたりしないかとか、いろいろ気にすることがあるので、家主としては知らない人にはなかなか貸せません。

ですので、若者が田舎に移住するきっかけとしては地域おこし協力隊はよい制度だと思います。

ですけれど、地域おこし協力隊は行政が行なっていることなので、地域活性化にはつながりにくいように思います。地域活性化というのは稼ぐこと。地域にあるヒト・モノ・カネを活用して稼いで、お金を地域内で繰り返し繰り返し回すこと。地域内消費額を増やすこと。

行政は稼いではいけないので、行政主体の取り組みではなかなか地域活性化につながっていきません。

地域活性化は民間が主体で、行政ができるところで支援するという形でないと難しいのではないでしょうか。

行政主体の住民参加ではなく、住民主体の行政参加の形が、地域活性化につながっていく取り組みなのだろうと思います。

海と生きる気仙沼の取り組み

南紀熊野観光塾で宮城県気仙沼市の取り組みについてお話を聞かせていただいたなかで、面白かったのが、海と生きる魚の町・気仙沼のご当地グルメを作るときに、どの魚にするか決めるのだけで半年かかったというお話。

余所者からしたらそれぞれの魚の漁獲量や知名度、地域での愛され方を考えたら「メカジキだよね」とすぐ判断がつくのですが、それがメカジキに決まるのに半年かかったという。

頭のなかで考えるだけなら誰でもできますが、やはり実際に行うのはなかなか難しいことです。

気仙沼市唐桑町の人たちが今度熊野に来て、郷土芸能劇「唐桑ものがたり 海の古道〜神々の記憶〜」を上演します! 3月26日(日)午後6時から、和歌山県新宮市の三輪崎会館にて。入場無料!

翌3月27日(月)には午前10時から熊野本宮大社にて唐桑町の郷土芸能「大漁唄込」の奉納が行われます!

熊楠が使用した瓢箪の水筒を見て思ったこと

南方熊楠記念館

先日リニューアルオープンした南方熊楠記念館。

南方熊楠記念館には、熊楠が使用した瓢箪の水筒が2個展示されています。

瓢箪を見て思い浮かべたのが上富田町のマスコットキャラクター。
上富田町のマスコットキャラクターが瓢箪に決まったことを知ったとき、私は驚きました。
上富田町民の方にとって瓢箪はそんなに思い入れのある大事なものなのか、と。

自治体が生き残りをかけて足掻いている地方創生の時代に、瓢箪をマスコットキャラクターに選んだのですから、それは上富田町は瓢箪を1つの大きな柱にして地域を活性化していくんだという覚悟の表明なのでしょう。

しかしながら上富田町は困難な道を選んだのだなと私は思いました。
瓢箪を地域経済の柱にするってとても難しいことではないのか、というのが上富田町の瓢箪についてほとんど知らない私が抱いた率直な感想です。

それでも上富田町民が選んだ道ですから、それはそれでがんばってほしいとは思いますが、本宮町に暮らす移住者である私には、上富田町民の瓢箪への思いの強さが残念ながら全然伝わってきません。

きっと多くの上富田町民の方の家の中には瓢箪が飾られているのでしょうが、家の中で飾っているだけでは全然地域外の人には思いが伝わりません。

上富田町民の方にはもっともっと瓢箪への思いを外に出していただきたいです。
簡単に誰もができそうなことだと、外出するときには常に瓢箪を携えていくとか。

私は熊野にとって梛(ナギ)の葉がとても大切なものだと思っていますので、いつも梛の葉を携えています。
財布と名刺入れと手帳に梛の押し葉を入れています。カバンにも梛の押し葉をぶら下げています。車の中には梛の葉ペンダントをお守り代わりにぶら下げています。

私が梛の葉でやっているようなことくらいは、ぜひとも上富田町民の方には瓢箪でやってほしいなあと思います。

熊楠の瓢箪の水筒を見て、そんなことを思いました。