南方熊楠が英訳した、とある日本の古典文学の冒頭部

kumagusu

南方熊楠が書いた英文。とある日本の古典文学の冒頭部の英訳です。

Of the flowing river the flood ever changeth, on the still pool the foam gathering, vanishing, stayeth not. Such too is the lot of men and of the dwellings of men in this world of ours.

古風な英語表現を使っているようです。

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第26回南方熊楠賞受賞の中沢新一先生のご著書「アースダイバー」

アースダイバー

第26回南方熊楠賞受賞の中沢新一先生のご著書「アースダイバー」。

ジオパークなんて言葉を知らなかったときに読みましたが、地質や地形に関する知識に、その土地の上で築き上げられていった人間の生活、文化、歴史などを絡めて物語化して提供する方法はジオガイドさんの参考になりそうです。

このご著書では東京にアースダイビングしていて、熊野信仰が関わる新宿の起源伝説についても触れられています。

南方熊楠賞受賞を機に、熊野にもアースダイビングしていただけたらなあ。

『熊野アースダイバー』と題されたご著書が生まれることを切に願っています。

中沢新一『アースダイバー』の読後感想

アースダイバー
アースダイバー

野長瀬忠男や南方熊楠らが守った野中の一方杉

継桜王子跡

野長瀬忠男や南方熊楠らが守った野中の一方杉。

野長瀬忠男は近野村近露(現・和歌山県田辺市中辺路町近露)の出身で、「トピー工業株式会社」の創業者の一人。トピー工業株式会社は鉄鋼メーカーで、現在、自動車用のホイールで高い国内シェアを誇っています。

野長瀬忠男の弟が日本画家として知られる野長瀬晩花(本名は弘男)。
『ウルトラQ』や『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の監督として知られる野長瀬三摩地は晩花の子であり、野長瀬忠男にとっては甥に当たります。

以下、明治44年10月15日付『牟婁新報』に掲載された野長瀬忠男の「神社合祀跡の神木濫伐禁止の急務(下)」より引用。

※ ※ ※

然るに我国民自らその神社を破壊し神木を乱伐し尽そうとするのは如何にも愚な行いではあるまいか私は切に望む、前に述べた近露や野中の旧神社のような由緒あり歴史ある古い神社跡及神木等はお宮様のある無しに拘らず、国宝として大切に保存して置きたい、

かの幾百歳であるか、年齢の推測も出来ぬような大樹、後で取返しの出来ぬその土地、その国の紀念物である所の老木古杉をたった千や二千の端金に代えて、伐倒してしまうのは村民としてまた帝国臣民として如何にも愚の極であると思う、かくの如き愚行を敢えてしては、我等の子孫や後世に対しても重々相済まぬ。当局の諸氏もこれに関係する町村の人民諸君も篤と御反省あらん事を切望する、

※  ※  ※

明治の末期、野長瀬忠男は近露や野中の神社(跡)が国宝級の価値がある場所であることを確信していました。

その確信の正しさは後に熊野古道が世界遺産になり、そしてまた去年10月に継桜王子跡が「南方曼陀羅の風景地」のひとつとして国の名勝に指定されたことで証明されました。

継桜王子跡