玄峰老師の言葉「和して同ぜずでないとほんとうの仕事はできない」

日比谷図書文化館さんの日比谷カレッジで講師を務めさせていただいたときにオススメした書籍3冊のうちの1冊が、山本玄峰老師の著書『無門関提唱』(大法輪閣、1960年10月)でした。

山本玄峰老師は南方熊楠より1歳年上の熊野湯の峰出身の禅僧。時の総理の相談役を務め、太平洋戦争終結に尽力し、また天皇を国家の象徴とするよう示唆するなどした熊野が誇る偉人です。

『無門関提唱』から山本玄峰老師の言葉を紹介します。

君子は和して同ぜず、小人は同じて和せずという。君子は別々のように見えておるけれども、きちんと物の道理を弁えてる。ところが小人はいかにも仲よくしているようにして、おべんちゃらを上手に使っていても、箔がはげる。君子は言葉に現わさなくても、社会の苦しみを見ればほんとうに苦しみ、人の苦しみを見てもほんとうに自分の苦しみと感ずる。和して同ぜずでないとほんとうの仕事はできない。
(山本玄峰『無門関提唱』大法輪閣、180頁)

和して同ぜずでないとほんとうの仕事はできない。
『無門関提唱』には素晴らしい言葉がたくさん散りばめられていますが、この言葉もいいなあと思います。

オススメした書籍の残りの2冊は、松原右樹『松原右樹遺稿 熊野の神々の風景』(松原右樹遺稿刊行会、2012年10月)と、梅原猛『日本の原郷 熊野』(とんぼの本 新潮社、1990年1月)。