み熊野の浦の浜木綿百重なす…柿本人麻呂の恋の歌

ハマユウ
ハマユウ

本日3月18日は人麻呂忌。万葉時代最大の歌人、歌聖と尊崇された柿本人麻呂の命日とされる日。

柿本人麻呂が残した恋の歌を1首。

み熊野の浦の浜木綿(はまゆふ)百重(ももへ)なす心は思へど直に逢はぬかも

(訳)熊野の浦の浜木綿の葉が幾重にも重なっているように、幾重にも幾重にも百重にもあなたのことを思っていますが、直接には会えないことだ。(『万葉集』巻第四 496・新499)

和歌の世界では「み熊野の浦」といえば浜木綿が連想されます。ハマユウは海辺に生えるヒガンバナ科の多年草。葉が幾重にも重なっていることから、「あなたへの思いが幾重にも重なっています」というときに「み熊野の浦の浜木綿」が詠み込まれます。

したがって「み熊野の浦」が詠み込まれた和歌は基本的に恋の歌になります。

み熊野の浦:熊野の歌
https://www.mikumano.net/uta/ura.html